ネットサーフィンしていたらこんな記事見つけました。
厚生労働省は、年金の支給開始年齢について、急速に進む少子高齢化に対応するには、将来的に68歳から70歳程度へ引き上げることを視野に検討を進める必要があるとして、今週から本格的な議論を始める方針です。
で、これを読んで僕はこんな感想を抱き、はてなブックマークのコメントに残したわけです。
amamako 何で年金を削るときって年金の金額を減らす議論にはならずに年齢を引き上げる議論になるんだろ?生活のためのお金なんだから引き上げよりかは減額のほうがまだ良いようなきがするんだが。 2011/10/09
自分としてはこのニュースを見ての素朴な疑問だったんわけです。
ところが、今日朝日新聞を読んでいるとこんな記事を見つけました。なんかネットには上がってないので自分で文字おこしします。
働く60〜64歳 年金増額案―厚労省、会社員対象
厚生労働省が11日示した年金の支給開始年齢引き上げ案は、与党内でほとんど議論がされておらず、省内でも実現性は低いとみられている。ただ、議論を提起することで、高齢者の年金減額へ地ならしをする効果はありそうだ。
(略)
もともと年金制度には、平均寿命が伸びて支給が膨らむ場合に、給付を自動的に抑える「マクロ経済スライド」と呼ばれる仕組みが既に組み込まれている。
(略)
省内では支給開始年齢の引き上げを年内に決定できると見る向きはほとんどなく、「本命」であるマクロ経済スライドを完全実施するための地ならしという側面が強い。
(2011/10/12、朝日新聞6面より)
分かりますかね?要するに今回の「支給年齢引き上げ」っていう話は、まさしく僕が抱いたような「支給年齢引き上げるぐらいなら年金減額すればいいんじゃない」という感想を引き出すための、いわばスピンコントロール(政権の望む方向に世論を誘導するために、情報を選択的にリークすること)だったわけです。そして僕はそのスピンコントロールに見事に引っかかって、まさしく厚労省の思惑通りに「年金減額」という意見に持ってかれたわけで……
いやまぁ、だとしても年金の減額は僕は必要だと思う(ただ、その後の「働く高齢者には年金を増額」って案は反対ですが。これだけ失業率が高いってことは、むしろ労働人口は過剰なんだから、そこで更に労働人口増やしてどーすんのっていう)ので、別に自分の意見をねじ曲げられたわけではないんですが、しかしそれでも官僚がやるスピンコントロールに見事に引っかかってしまったというのは結構悔しいですなぁ……
多分こういう世論誘導っていうのは、他のニュースにも一杯あるんだろうなぁ。