最近インターネット上でこのようなブログが話題です。
このブログは、つい先日リコールが成立した鹿児島県阿久根市の竹原市長について、彼が始めた政策の一つである「壁画制作」の実態を写真で紹介することにより、竹原市政の酷さを告発する、そういうサイトです。
このサイトは確かにある主義、明確に言うなら「反竹原市長」という視点から作られたものです。そんなことはブログのタイトルを読んだだけで一目瞭然でしょう。しかしそれを差し引いたとしても、このブログの写真、そしてその説明を読めば、竹原市長のやっていることが如何にグロテスクなことであるか、見た人には明確に伝わります。
ところで、このブログが人気を博した後、このような指摘がブログを見た人々からなされるようになりました。
はてなブックマーク - 写真で見る阿久根市の現状ー独裁政治の悲劇ー
osya3 デイリーポータルでは結構好意的に取り上げられてたけどこの記事を見ると凄く悪趣味に見えるねhttp://bit.ly/bAkJJS
hisamichi 珍スポット, 訴える, 日本, 実態, 廃墟 勝手に描かれた壁絵すごい http://portal.nifty.com/2010/07/02/a/
white_rose あとで 前デイリーポータルでみたシャッターアートのやつ?/デイリーポータルの記事では好意的なブコメが多かった気が。書き方ひとつ?
sentaro0525 記事の書き方で全然受ける雰囲気が違う http://portal.nifty.com/2010/07/02/a/
そう、じつはこの壁画は前に「デイリーポータルZ」という@niftyが運営するサイトにおいて、日本一のシャッター街・阿久根という記事により紹介されていたのだ。しかしこの記事を読んでもこの壁画はそこまでグロテスクには見えず、むしろ良い町おこしのようにみえてしまう。そして軽妙なタッチで壁画が紹介された後、この記事の最後では
話題になっている阿久根市長についても、ちょっとだけ住民のかたはどう思われてるのか聞いてみた。
すると、マスコミを通したニュース等では強引としか思えないやりかたで役所や議会を混乱させる問題市長という印象に聞こえるが、そこで暮らす住民から聞いた生の声はまるで違っていた。
- 住民のために一所懸命やってくれている。
- 税金は安くなるし、いいことしかない。
- 何度リコールしても同じこと。またあの人が当選する。
と、大絶賛。少なくとも私が聞いた限りでは支持率100%だった。
シャッターだらけの街を歩いた後に聞いたそれらの声は、強い説得力を伴って聞こえてくるのだった。
という風に、阿久根市における竹原市政が市民に支持されていることが紹介され、「マスメディアでは伝えられない竹原市政の良い面」が伝えられる。
しかも、このサイトは先述のブログではなく、↓で述べられるように「ネタサイト」である
はてなブックマーク - はてなブックマーク - 写真で見る阿久根市の現状ー独裁政治の悲劇ー
zenibuta 政治的なサイトならいざしらず、ネタサイトのDPZのブコメと比較するのって何の意味が?
故に、「デイリーポータルZの方が公平に事実を伝えているんじゃないか。ブログは所詮反市長派のプロパガンダではないか」という解釈が多くなされるわけです。
kumonopanya 自分に都合の悪い話は隠して相手を糾弾だけしているポジショントーク。この手のサイトは市長派と反市長派両方訪れて吟味しなければ意味がない 自分が読んだ記事ではシャッターアートで町おこしをしようとしていたが
smile4u news むしろ文脈次第で見え方が全然変わることのほうに驚いた。「事実」はひとつではないことを肝に銘じつつブクマ。
hiroumitani DPZの記事 http://portal.nifty.com/2010/07/02/a/3.htm も見たけど、そこまでひどいかな?プロセスには問題あるかも。個人的には壁画はヒロ・ヤマガタ風でわりと好きw 市長も描いてる人も著作権の感覚が昭和半ばのままなんだろうな
@kamaboco_jet 私は阿久根市行ってみたくなったぞ! http://htn.to/xVVMthは反竹原派なのね。
hoshiyo 同ブコメ多数だが、文章の流れ一つで簡単に民衆を扇動できる事の好例。市長がブログで意見表明してるように反対派も表明してるだけで、片方だけ読んで短絡批判は早計。で、このブログ主はどこの誰?顔が見えないよ?
metalbabble ネタ こいつら簡単に煽動されておもしろいなー
gyogyo6 プロパガンダ タグはこのブログに対して。DPZレポートとの落差。 id:smile4u 氏の「事実はひとつではない」を自分も肝に銘じたい。
jimihendrix0418 *政治, *ネタ 文章がいかにも「私は反市長派ですよ」という感じ.このブログ一つで一方的な批判はできない.絵の著作権は問題かもね.
alpinix 清田定男, シャッターアート http://portal.nifty.com/2010/07/02/a/ 別にどっちも擁護する気ないけど、反市長派のネガキャンだろう、このブログは酷いね。市長と壁画直接は関係ないし、独裁というが、具体的にどう悪いのかに言及してないただの煽り記事。
Kanasansoft photo, politics 実態を知っているかどうかで受ける印象が全然違う。筆者が受けた印象は読み手にも伝播する。 http://portal.nifty.com/2010/07/02/a/
taikoubou1 ネタ プロパガンダ合戦自治労サイドって感じ?
では本当にそうなのか?件のブログ記事は反市長派が意図的に事実を歪曲したプロパガンダで、本当はデイリーポータルZという「ネタサイト」が示したようにより微笑ましい物なのか?まずこの記事では、それについて検証し、むしろデイリーポータルZの記事の方が、市長派に寄り添う、より悪質な「プロパガンダ」であることを示します。
次に、ではなぜデイリーポータルZがそのようなプロパガンダと成り果ててしまったのか考え、そこから、様々な中央のマスメディアや、阿久根市を笑(嗤)うネット世論こそが、竹原市長の市政を逆説的に支えてきたことを明らかにします。
そして最後に結論として、決してリアル世界と無関係ではいられないインターネットは、ではどのように阿久根市のような「リアルな地方」と向き合うべきか、それを考えたいと思います。